vol. 5
(たなかひでほ) 花市とは、旧正月に飾る花や飾り物を売る期間限定のマーケットだが、ちょうど日本の縁日のようにおもちゃなどの屋台も沢山ならんでおり、ぬいぐるみやグッズ類の売り込みも激しく、お祭り気分がこちらにも伝わってくる。この花市は旧正月前日の大みそか(=年三十)までやっているが、直前になる程、人の数は増えていく。旧正月5日前に銅羅湾のビクトリアパークの会場に行った時はそれほど混んでなかったものの、2日前にもう一度太子にある会場に行った時は人でごった返しており、その人の波をかきわけつつ、より“年末”の雰囲気と活気を直に感じたのであった。 そ して2月11日、年三十である。いわゆる「大晦日」だが、ぼくの住む銅羅湾の街はすごい人出で昼ご飯をたべようと茶餐てんに行っても何処もいっぱいでなかなか空いてるところがない。年三十ってのはみんな外に出るんだなぁと思いつつ、でも旧正月3が日は店がみんな閉まってしまうそうだから食料を買い込んでおかねばならない。そう思って超 級 市 場(chiiu1 kaap7 sii5 cheung4)の百 佳(baak8 gaai1)(香港で最もメジャーなスーパー)に行くとここもすごい人。皆、旧正月に向けての買い物に余念がない!といった感じであちこちでカートがぶつかり合って渋滞みたいになってる。 ということで、ぼくも一応三が日を過ごせるだけの食料は買い置きし、何とか旧正月を迎える?準備は出来たが2月12日、旧正月1日目(年初一)の夕方街の様子はどうかと出てみると、ぽつりぽつりとやっている店はあり、これまで思い込んでいた“店がほとんど閉まってて閑散としている”という状態ではなかった。 別 に買いだめしておかなくてもやってる茶餐てんはあったのだった。人はそれほど多くはないけれどまあまあ出歩いている。そういえば、年初一は肉を食べずに精進料理を食べるのがしきたりと聞いていたが、焼 店(siiu1 laap9 diim3)もバッチリ開いてて鳥やガチョウのローストがぶら下がっていた。時代の流れで、昔ながらの旧正月の過ごし方をする人が減っているのかもしれない。そういうところはみんながみんなおせちを食べなくなった日本の正月に似ている。 香 港の旧正月というと、爆竹をバンバン鳴らして盛大に祝うというイメージを持つ人がいるかもしれないが、実際は危険だということで法律で禁止されており、街は静かなものである。その代わりに2月13日の旧正月2日目(年初二)の夜には政府主催の花火大会があり、ぼくもその“煙 花(yiin1 faa1)”(花火)を見るべく湾仔の香港会議展覧中心に向かった。そこの海沿いのテラスで花火を見るのだが1時間前にはすでにすごい人で、いい場所はとっくにみんな座り込んで食べたり喋ったりのピクニック気分だ。一帯は柵で一角一角を区切られ通路も作られており、警官たちが整理をしている。その大勢の中を掻き分け進むと、まだ空いてる場所もありそこに落ち着く。 8 時になると、いよいよ花火がはじまる。こちらの花火ははっきり言ってすごい!!!“狂ってる”を形容したい派手さでバンバンバンバンすごい勢いで次々と打ちあがり、“花火”というよりは「火薬が爆発してる!!」という感じだ。花火工場に火がついて爆発するとこんな感じかもしれない。それほど壮絶でその迫力に圧倒されたがこちらの花火は情緒というより、いかに派手で盛大かが重要なんだなと思い知らされた。その勢いの良さやサービス精神は香港映画の娯楽性にも通じる所がある。 “煙 花”とはよく言ったもので、空中にはもくもくと“爆発”後の煙が漂い、そこへみなく次々と花火が炸裂していく。ラストはより怒涛のようにいやほとんどヤケクソのように壮絶に連発されて「農暦新年0既煙花(lung4 lik9 san1 niin4 gee3 yiin1 faa1)」は終わった。その間わずか25分弱。“爆竹の代わり”という意味がよぉぉぉーくわかった。 |
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