香 港 で の 生 活 vol. 1 田 中 秀 歩
さて、香港での僕の生活といえば、うーん、実はあんまり人様にお話できるほど立派ではない。だって、学校へ行き、勉強をし、香港映画の目ぼしいものはとにかく観て、あとはメシ食って日記などを書きビール飲んで寝て……改めて書くと本当につまらんものだな。でも、最近不調な香港映画の中で面白い作品に出会えたり、コンビニで売っている點心(香港のコンビニでは日本で弁当やおにぎりが売られているようにレンジで温める點心が売られている。これがバカにできない味である)などをつまみにビールを飲んでるだけで結構幸せである。安上がりなもんだ。 住んでいる所は銅鑼灣(コーズウェイベイ)にある日本人向けのマンスリーマンションで、それはまさに香港らしい、古くてちょっと汚い雑居ビルの中にある。そのビルはマンスリーマンションだけでなく、連れこみホテルがあったり、地元の人たちの住居があったり、本当に雑居だ。エレベーターも今の日本ではまずお目にかかれない、ドアが手開き式の古〜い代物で、ボタンを押しても本当にそこへ行くのか、そして途中で止まったりしないか不安にならずにいられない凄みのあるものだ。しかしそのうちそんな不安は感じなくなったのだから、慣れとは恐ろしい。これも香港的なモノの一つだ。それらは香港ではごく普通のことだが、そんな中にいると、なんだか香港らしい生活の中に溶けこめているようで、地元の人や高級志向の人には僕の感じる楽しさは分からないだろうけど、まさに映画で見ていたような香港らしい雰囲気の中に自分が今住んでいる、というのはなかなか感慨深いものなのだ。 |
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(次回につづく)
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…Report………………
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