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冒頭のシーン。病院の分娩室で一人の女が双子を出産する。大変な難産だった。帝王切開によって取り出された最初の女の子はすでに死んでいた。だがその赤ん坊の開かれた目には瞳がふたつ付いていた。いきなりこのようなショッキングな場面から映画は始まる。
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それから10数年の月日が流れた台湾、台北市内。
ある日、市内の化学工業会社で不思議な事件が起こる。夏にもかかわらず、従業員に冷房を止めさせた社長が社長室で変死した。監察医によって丹念に調べられた結果、彼の死因はなんと、凍死だった。
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数日後、今度は議員の愛人が全身焼け焦げた変死体で発見される。彼女は死ぬ直前に部屋が火事だと消防署へ通報していた。しかし、部屋は何も変わった様子はない。あまりにも不可解なこれらの事件を調べる李刑事は解決の糸口が見えずいらいらしていた。
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そしてついに第三の事件が起きる。被害者はアメリカの教会の司祭。死体は腹を裂かれ、再び縫合された残忍なものだった。そしてその腹には何か呪文のようなものが血で書かれていた。
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今度の事件は外交問題に発展するということから、この事件の捜査にアメリカからFBI捜査官ケビンが派遣される。彼の通訳には署で唯一英語ができる国際課の黄刑事がついた。黄刑事は2年前、刑事汚職を告発し、その際、汚職した刑事によって娘が人質にとられるという過去があった。娘はその事件以来、自閉症になり、妻ともうまく行かず、家庭は崩壊寸前だった。その上、彼は署内でもその事件によって疎まれていた。
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他の刑事たちから煙たがられるケビンと黄、この二人の刑事が連続猟奇殺人事件の謎に立ち向かう。唯一の手がかりはそれぞれの事件現場から発見された細菌のような物。これはいったい何を意味しているのか。彼らは次第に真相に迫っていき、そして二人の間には奇妙な友情のようなものが生まれていく。
……そしてまた恐しい事件が起こる。
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